実家に泊まりに来ました。
久しぶりに近所のおじさんとユンタク(おしゃべり)しました。
そして貴重なものを見せてもらいました。
芭蕉で織られた着物です。
芭蕉はバナナとそっくりな木ですが、
実に種があり、バナナとは違い食用向きではないですが、
昔から繊維をとって糸にして、使用されていた様です。
この着物は戦争に行く叔父さんに持たせる為にとお婆さんが作って持たせたものだったみたいです。
なので77年くらい前のものになります。
触ってみると、
生地に張りがあり
とても繊細で綺麗な織物です。
向こう側が透けるくらい生地が透けていて、
暑い沖縄に最適な清涼感のある着物。
私自身、繊維業界で働いていた経験があり、
生地について多少の知識がありますが、
この骨の折れる細かい作業を
こなしていたのは
特別な人ではなく、
ごく普通な人で
生活の一部として
女性が行っていた様です。
よく川の近くで繊維が干してあるのを見てたみたいで、
生活に溶け込んだ光景だった様です。
この着物は
戦争に行くからと
短時間で織って作ったものだから縫い目も荒いし、簡単に作ってある。
と言っていましたが、
その織物自体はとても綺麗なものに私には見えました。
どんな想いでこの着物を作ったのか、
その大切なものを受け継いで今もすぐに出せる場所に保管している
近所のおじさん。
芭蕉布を前に
昔の沖縄の風景や時代を感じ、
また、繊維から服まで作る自給も昔の人は普通の技術として持っていた
事を知り、
それが今の私たちにとっては
とてつもなく凄い技術だという事を感じました。
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